こんにちは。
歯科衛生士の一之瀬です。
私は日々、外来での診療と合わせて訪問診療に携わり、在宅療養中の方の口腔ケアなどを行っております。
先日、伺った訪問先の患者さんの事をお話しします。
いつも通りにご自宅に伺い「何かお変わりありませんか」と尋ねると、「実は入れ歯を割っちゃって」と言われました・・・・・私は驚き、流し台に置いてある入れ歯ケースの中をのぞくと下の入れ歯がまっ二つに割れていました。よくよく、お話しを聞くと、入れ歯を流水下で洗っているときに手が滑り入れ歯をシンクに落して割れてしまったのだそうです。
この方はマヒなどはありませんが足腰は不安定で、長い時間立っていることができません。
そのような方に、何の配慮もなく入れ歯の取り扱い方を説明してしまったこと、その方のためのパーソナルな診療を行っていなかったことにその時はじめて気づきました。
きっとこの方のお身体の状態や生活環境を考えたら、流水下ではなく、水をはった洗面器の中で入れ歯を洗い、最後に流水下で流して頂ければ、このようなことにはならなかったと思いました。
患者さんには私たちの「入れ歯の取り扱い」についての説明が悪かったことを謝罪し、その後先生にすぐに
入れ歯を修正して頂き、現在はご不自由なくお食事をされています。
このことから学んだのは、診療は私たち医療従事者からの一方通行で行うものだはなく、患者さんと話し合いながらその方にとっての最良の診療を行わなければいけないということです。
今までも、そのように診療していたつもりでしたが日々の仕事がルーティンワークになってしまっているなぁ〜と痛感しました。
歯科衛生士になりもう10年が過ぎましたが、今でも患者さんに色々なことを学ばせて頂いています。
このことを糧にまた今日から気持ちを新たに診療に臨みたいと思います