みなさん、こんにちは。
歯科衛生士の白田です。
訪問診療でお伺いしている患者さんに70歳代の寝たきりの女性がいます。
約20本の歯が残っていますがそのほとんどが虫歯なのです。
しかも虫歯のほとんどが歯の根元にできています。
訪問するたびに下の前歯が折れていることも続きました。
なぜでしょう?
ご存知のように虫歯の原因はプラーク(歯垢)です。
実はもう一つ、この方には致命的な原因がありました。
「逆流性胃腸炎(胃食道逆流症の一つ)」です。
よく耳にする病気ですね。
これは胃酸が食道や口に逆流する病気です。
何が致命的かというと・・・
通常、私たちの口の中はPH6〜7と中性です。
食事などでPH5・5以下の酸性になると歯の成分が溶け出し虫歯のリスクが高まります。
これに対して胃酸はPH1〜2とかなり強い酸性
胃酸が逆流するたびに酸に歯が溶かされるのです。
ではどうすればよいのでしょう。
逆流性胃腸炎の治療はもちろんのこと、虫歯予防にはやはりプラークコントロールです。
この方も虫歯の治療をしながら歯科衛生士によるブラッシングでの訪問を開始する予定です。
治療はまだまだかかりますが新たな虫歯を作らないことを第一目標に二人三脚でいきたいと思います。
このように全身状態とお口の中(虫歯や歯周病など)は関連していることが多々あります。
訪問診療に限らず患者さんのお口を拝見させていただく上で私たちはプロとして様々な知識を持つ必要性を感じずにはいられません。
そしてみなさんのお口から学ばせていただく毎日です。