歯科医師の大川です。
先日の特別養護老人ホームの話の続きです。
摂食嚥下の診断の日に、当日担当する先生がミーティングより30分ほど早く来て、他の入居者の方のお口を少人数づつですが、時間の許す限り、検診しています。
その際、問題が見つかると、施設の登録歯科医に治療をお願いすることになります。
実は私は4月にこの登録医になり、5月より患者さんを拝見しています。
さて、ここがどこだと思いますか?
実はその施設の3階にある歯科診療室です。
ただ、この施設は築30年以上経っており、ユニット(歯科診療台)もかなり年期が入っていて、一部壊れているのか、うまく動かないことがあるため、大変苦労しています。(金銭的なこともあり、買い替えや修理は無理らしいので、必要な道具や機械は自院での持ち込みとなっています)
また、レントゲン室は無く、ユニットに付属しているレントゲン機で撮影します。しかし、困った事に現存するフィルムと撮影timeが異なるため、そのまま照射すると長過ぎ、フィルムが真っ黒になってしまいます。古いユニットの為、時間調整が出来ず苦労しています。
歯科室があることで、基本的な治療は行えますが、慣れない道具や環境ではなかなか難しい面もあります。
また、担当した方のお口も決して良い状態ではなく、かなりの改善が必要でした。
もちろん、きちんと治していたとしても、お口に問題が出て、治療を受けさせざる負えないことはあると思いますが、治療は元気な時に、より良い治療を受け、その後の口腔内ケアがとっても大事だと改めて実感しています。
入居者のお口のケアはご自身または介護士、ヘルパーさんが行っていますが、やはり不十分です。
今後訪問診療で培った経験で何かお手伝いができるように努めたいと思っています。