こんにちは、歯科医師の郡司です
7月になり、ジメジメした日々が続いておりますが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
当院では、今年も7月より、中央区成人歯科健康診査、中央区高齢者歯科健康診査が始まりました。
先日、高齢者健診後の患者さんから質問があったので、ブログでもお話ししようと思います。
高齢者健診では、検査項目にRSST repetitive saliva swallowing test(反復唾液嚥下テスト)〔飲み込みのテスト〕とオーラルディアドコキネシス〔発音のテスト〕というものがあります。
RSSTは、嚥下(飲み込み)機能を測定する方法です。
内容は、歯科医師または歯科衛生士が喉に軽く手を当てている30秒間に、可能な限り唾液を飲み込んでもらい、回数を計測します。通常、7~8回/30秒だと問題なし、3回未満/30秒だと嚥下機能低下の疑いあり、と判定します。
オーラルディアドコキネシスは、口唇(くちびる)や舌・軟口蓋(のどの奥)などの動きを評価するテストです。
これは、決められた音である『ぱ』『た』『か』『ら』を数回発音してもらうテストです。
『ぱ』は口唇、『た』は舌の前方、『か』は舌の後方、『ら』は舌の反転、の運動をそれぞれみています。健診では、この音がそれぞれ明瞭であるか、不明瞭であるか、評価します。
飲み込みや発音が歯とは関係ないと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、
歯科では、歯だけではなくお口の中全体の健康を維持するために様々な検査やテストを行うこともします。嚥下機能の低下により、誤嚥性肺炎につながることもあり、健診でのテストは大切なものになります。
健診では、限られた(決められた)検査項目しか行いませんが、虫歯や歯周病が見つかる方もいらっしゃいます。歯科に足を向けるきっかけにもなると思うので、用紙の届いている健診対象の方は、是非お近くの歯科医院へ受けに行ってみてはいかがでしょうか?