こんにちは歯科医師の郡司です。
さっそくですが…
これは、上唇の裏側から上の前歯の歯肉側に伸びているひだで、上唇小帯(じょうしんしょうたい)と言います。上唇の運動を制限し、位置を固定する役割があります。しかし、この上唇小帯の位置が下の方にあるお子さんが時々いらっしゃいます。
写真2
先月、受診されたお子さん(1歳6ヶ月)のお母さんに、上唇小帯の位置異常があるとどのようなことが起こるのか、今気をつけるべきことは何か、質問されました。
先ほども言ったように、上唇小帯は、乳歯列の間、写真2のように位置異常がみられることがあります。成長するにしたがって、歯茎の上方に移動していくので、永久歯が生えてくるまで経過観察で心配いりません。しかし、稀に永久歯が生えた後もこの状態が続いてしまうことがあります。
すると、上唇の運動障害、前歯の萌出障害、永久歯の前歯の間に隙間をつくってしまう正中離開、清掃性が劣ることによる虫歯や歯周病になってしまう、審美性の障害などが起こってしまいます。
なので、永久歯が生えても位置異常がある場合は、切除・切除の治療が必要になります。
時期ははっきりとは言えませんが、一般的に8〜10歳頃と言われています。
乳歯列期の間に注意することとしては、親御さんが仕上げ磨きを行う際、歯ブラシが当たると痛いので、当たらないように気をつけること、また、磨きにくいので、前歯の磨き残しに注意すること、などが挙げられます。また、転んで顔をぶつけた時に、切ってしまいやすいです。
お子さんの上唇小帯、気になる場合は、一度歯科を受診されてはいかがでしょうか?