みなさんこんにちは
歯科衛生士の橋本です。
道ばたの紫陽花がきれいに色をつける季節となりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか?
今回は在宅医療についてお話をしたいと思います
まず、在宅医療とは医師や看護師などの医療職が通院困難な患者さんのご自宅もしくは高齢者施設などに訪問し、医療行為を行うことです。
通院困難になった患者さんやご自宅での療養を希望する患者さんに対して、病院医療では得られない自由と満足を目指す医療でもあります
一般的には、75歳を過ぎると虚弱化し、仮に身体運動能力がある程度保たれていても認知機能が低下するなどして、命を閉じるまでの一定期間、何らかの介護が必要になるといわれています。
そのような状態になったときに、「病気の治癒を目指す」ことから「疼痛緩和や精神的支援などを通常生活の場で行う」ことへ医療サービスの中心が変わり、医療が「治療」中心から「生活」を重視するよう変化します
これは、在宅という日常の生活空間において可能な範囲で療養し、疾病・障がいとともに家で暮らし、最期は自分の家で死を迎えることを本人の意思で選択するという「選択」が重要になってきていることを意味しています。
そして病院での医療は主に「治す医療」ですが、在宅医療は「支える医療」です
ご本人、ご家族と一体となって生活や生き方についてともに考えていくことが重要です。
また、在宅医療の目的は支える医療であり以下のような援助を行うことを目的としています
・自宅での生活が継続できるように援助する
・患者さんのQOL(生活の質)を向上させる援助を行う
・可能であれば社会参加、復帰への支援を行う
・安らかにその時を迎えることができるように援助を行う
以上の目的を果たすためには、在宅医療は単なる病院における治療の延長としての医療ではありません
治療の場でなく生活の場における医療であり、QOLの重視、個人の尊重の医療であります
このため、治療の効果があるかどうかというエビデンスに基づいた医療がなされる病院医療とは異なり、その方の人生の物語にどう関わっていくかというナラティブな医療(物語と対話に基づく医療)が行われます。
これは患者さん自身の語りを引き出すことが必要であり、患者さんにしかわからないことを先入観を持たずに聞くということを行います。
そのためには患者さん側に立った柔軟な発想ができるようにならなければならず、多様性に対応できるようにならなければなりません
そして、医療者側の理論を押し付けるのではなく、あくまでも患者さんの物語に医療をすり合わせていくことを行っていきます。
当院では、訪問診療も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください
それでは、季節の変わり目に、体調を崩されませんよう願っております。