歯科医師の大川です。
前回に引き続き今回もカンボジアのお話です。
今回SCHECにおける歯科ボランティアのメンバーは歯科医師20名、歯科衛生士6名、歯科技工士2名、歯科助手2名、医師1名、協力者5名、計36名が日本から行き、そこに現地の通訳さん、運転手さん10数名が参加しました。(聞けば100名を超える年もあったそうで、今回は少ない参加人数だそうです。)
さて、日本の成田を9時過ぎに出発、カンボジアのシェムリアップに着いたのは夕方でした。
翌日から診療ですから、まずは今日中に器具のチェックや準備を行わなくてはなりません。
前日に前乗りをしていてくれたメンバーが毎年使用しているホテルの倉庫から、第二ロビー(広場)に品出しを済ませていてくれましたので、その中から今年必要と思われる器具と量を確認するところから準備を行いました。
初参加の私は毎年参加している先生たちから指示を受けて言われるがまま準備を手伝いました。
今年は3グループ(1グループ6〜7名の歯科医師)に分かれて各場所に向かい診療をします。因みに1箇所は3日間連続で行き、後の場所は丸1日で診療を終えなければならないという計画でした。
私が入った班は歯科医師5名と医師1名、歯科技工士1名、協力者2名のグループでした。多少の入れ替えはありますが、ほぼ同じメンバーで3日間、ずーっと行動するとのことです。
初めて訪れたのはSCHECが訪れる中学校です。この場所は3日間続けて訪れましたが1日目だけは2チームで診療と検診をかねて行うというのです。
ホテルからワンボックスカーで現地に向かいます。本来ならば2時間もかからないところでしたが交通事情(悪路、交通量の増加)の影響で3時間以上かかり、予定を1時間以上大幅に遅れて到着しました。
実は到着早々にもトラブル発生!
この中学校は午前中までで、午後はお休みとのこと。
先生との交渉のかいあって中学3年生だけ昼食後に学校に戻ってきて下さるというのです。(一度自宅に戻り、昼食を食べてからもう一度やってくるとのことでした。)
正直なんて段取りが悪いんだと思いましたが、聞くところによるとこの中学校は雇われの(パート)先生が受け持っていて、きちんと管理された学校では無いというのです。
この地域は貧しく、子供たちは午後に家庭の手伝いや仕事をしないと行けない為、勉強をしている場合ではないそうです。そのため午前中のみの授業ということらしいです。
因みに歯科治療を歯科医院で受けようと言うのなら月収の半分は無くなるそうで、歯科治療なんてまともに受けられる地域ではないと聞きました。(初っ端から色々とカルチャーショックを受けました。)
交渉がまとまり、いざ診療へ。
まず我々がしないといけないのは診療場所のセッティングです。
学校と聞けば普通、教室や保健室で行うのかな。なんて思いませんか?
あまいあまい、電気なんか来てはいませんから、もちろん、お外で診療です。
つまり、青空診療です。(初めての経験です)
因みに、ただ広い場所を探すのではあません。
太陽の動く方向、日差しの照らす方向をまずはチェックしなければ地獄を見ると言うのです。
なぜなら熱さ30°を超える中で行う診療だからです。
つまり、出来るだけ長時間日陰になる大きな木の近くにセッティングすることがとても重要とのことでした。
まずは中央テーブル(学校の机)に消毒設備、器具のセッティング、その周りに診療椅子を置いて治療体制を整えます。
中学校に来たからと言ってそこの学生だけを診るのではなく、地域の住民の方も診ていきます。
診療の内容や心に思ったことについて書きたいところではありますがブログが長くなってしまったので、また次回にします。
お楽しみに(笑)
※ここまで読んでいただきありがとうございました。