こんにちは、歯科医師の大川です。
寒暖の差が厳しいシーズンですが、皆さま体調如何ですか?
今回は時々話に出させて頂いている特別養護老人ホーム(以下特養)の話です。
以前にもお話しましたが、入居者の口腔内に問題があると治療の依頼があり、私は治療に行くのですが頑張って一通り治療を終えてもその後の口腔内の清掃が行き届かないため、どうしても口腔内の環境が悪いのです。
つまり、とてもプラークコントロールが不良なのです。
その為、私は月1回程度治療を終えた方の口腔ケアを行っています(回数は足りませんが)。
ケアを終えた後、看護師の方に口腔内の報告とケアの重要性を話します。その都度、もう少し口腔ケアのレベルが上がるといいのですが・・・と付け加えて(笑)
口腔ケアのレベルが上がらない要因として、看護師の方がおっしゃるには「自分で出来る方は自分で歯ブラシを行うから」とのこと・・・
もちろん自分で出来る人は自分でやってもらった方が良いと思いますが、自分でやる方の中にもかなり能力のばらつきがあり、また、行うのは歯ブラシだけで歯間ブラシなどは行いません。
(歯ブラシも磨きにくい種類のブラシだったり、くたびれた歯ブラシでは磨けません。)
ですから、プラークの付着が多く、人によっては食渣もかなり残ってしまいます。
自分で行えない方はスタッフが行いますが、私が行かせていただいている特養の入所施設はどちらかというと介護度が高く(介護度1〜5)、多くの方が4とか5の為、入所者の介護やケアにとても手が掛かります。そのため、口腔ケアにあまり時間が割けないとのことです。
実際にどのようなことに手がかかるかと言うと
食事介助、薬の服用、口腔ケア、排泄、おむつ交換、入浴、着替え
ありとあらゆる行動の介助が必要で、それに加え介護記録など多くの仕事があるとのことです。
その為、人手が足りない中、十分な口腔ケアが出来ないと話がありました。
無歯顎(歯がない人)ならば総義歯を外して、洗い、また入れるだけなのでたいして時間は取られません。
しかしながら、歯が全部ある人や一部ある方はきちんと磨くことが難しく、口腔内はかなり汚れています。